「東大がつくった高齢社会の教科書」ベネッセ
高齢化最先進国の日本において、高齢化という人口構成の変化は、個人生活や社会システムのあらゆる領域で様々な課題をもたらしている。
例えば、社会保障財政の問題、医療・介護に関する諸問題、労働力確保の問題、住環境及び移動・交通システムの再構築の必要性、高齢者の就労・社会参加・生きがいづくりの必要性、引きこもりと孤独死ゼロ化に向けた取組みなど、様々な課題がこれからの本格的な超高齢化とともに深刻さを増していくことが懸念される。
これらの課題を解決して明るい未来を築いていくには、高齢社会について正しく理解するための総合的な知識が欠かせない。
そんな高齢社会に関する総合的知識を提供する教材が、このたび(平成25年3月25日)、ベネッセから発売された。教材の編著者は東京大学高齢社会総合研究機構で、同機構所属の各先生方が、医療・介護、住まい、就労や社会参加、年金等社会保障、交通や移動、福祉機器など、それぞれの専門分野の執筆を担当している。教材のタイトルもずばり「東大がつくった 確かな未来視点を持つための 高齢社会の教科書」となっている。
また、この教材を、公式テキストとして使用する「高齢社会検定試験」も同時に開始される。検定試験を運営するのは、東大の先生方が中心になって組織した「一般社団法人 高齢社会検定協会」である。第1回の試験は、平成25年9月14日に東京大学駒場キャンパスで実施される。
これからの長い人生をよりよく生きるために、個人の長寿化に関する知識が必要となるのは言うまでもない。さらにビジネスマンや行政マンが、これからの日本で仕事をする上で、高齢社会に関する知識は欠かせないのではないか。
今回の「高齢社会の教科書」と「高齢社会検定」が、高齢化が進む日本において、高齢社会の知識インフラの一翼を担うことを期待したい。
(高齢社会検定の公式サイトは下記URL)
http://www.kentei-uketsuke.com/gerontology/
日本シンクタンクアカデミー 理事長 岡本憲之
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